ヨーロッパアルプスでの撮影について、多くの経験を持つ会員講師による入門案内。
- ヨーロッパアルプスの特徴
ヨーロッパの中央南部に位置する山脈で、イタリア・オーストリア・スイス・ドイツ・フランスの国境に連なる。日本アルプスよりも緯度が10度ほど北に位置し、高度も4000メートル台と高いことから気温が低く、氷河などが独特の景観を形作っている。
- 旅行計画
ツーリスト会社のパック旅行を利用した場合、個人での行動は大幅に制限されるが、一般的に魅力のある場所は組み込まれているので、それなり撮影はできる。パック内容をよく吟味して、過大な期待をしないこと。初めてならば、安心を買う意味で価値がある。
トレッキングツアー会社のパック旅行ならば、ある程度の個人的な意向は反映でき、満足できるかも知れない。
個人ですべてを計画する場合は、往復の航空運賃、現地での交通料金、宿泊料金、食事代、ガイド料金など、さまざまな費用を織り込み自分で手配していくことなる。現地の状況や事情をよく知っている人ならば、これが最良の方法。国内ならば普通のことだが、言葉の壁もあって初めてでの個人計画はなかなか難しい。
最初はあまり欲張らず2カ所くらい、1カ所あたり2〜3日とし、移動往復の日数も含めて1週間くらいのツアーパックから見つけ出すのが、良いかも知れない。
- 撮影山域
ヴァリス地方:マッターホルンとツェルマット(スイス)。
ベルナーオーバーランド地方:アイガー、メンヒ、ユングフラウ、グリンデルワルト(スイス)。
ベルニナ地方:サンモリッツ(スイス)とベルニナ山群。
トレッキングコース(TMB):モンブラン、グランドジョラス展望ポイント、シャモニー(フランス)、クールマイユール(北イタリア)。
- 山小屋
撮影の都合を優先するには、街中のホテルよりも山小屋で泊まるほうが断然良い。トレッキングのための山小屋は、一般的に大型のベッドで食事の内容も良い。原則的に事前予約を要するが、数人ならば現地でも取れる場合がある。トレッキングルートは標識や看板が整備されているが、登山領域に入ると日本のようなペンキマークや赤テープなどはなく、ガイドを伴うことが前提になっている。撮影目的では、トレッキングルートの範囲に留めておくべきだろう。なお、マップは現地のスポーツ店などで入手できる。
|